後藤竜二追悼文 1

2014.04.29 Tuesday 11:49
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    「志操の人へ 追悼と誓い」

     

     後藤竜二が代表を務める、全国児童文学同人誌連絡会「季節風」秋の大会に、私が初めて参加したのは十九歳になったばかりの時だ。憧れの作家・後藤竜二は近寄りがたく、あさのあつこをはじめ、きらきらしたスターたちが彼の周りを囲んでいた。遠方から来た名も無き私を、皆が気遣ってくれた。その開かれた平等に目がくらむ思いだった。

    入会しろと後藤竜二に言われ、私は若さの特権で自惚れた。憧れの作家から誘われた事実が、自分に才能がある充分な証拠に思えた。会費を払ったとたん、憧れの後藤竜二は、仲間だから先生と呼ぶな、後藤さんと呼ぶまで返事をしないと言った。緊張に震える声で、恐々「後藤さん」と呼びかけたら「よしよし」と傷つくくらい笑われたことを憶えている。

    訃報を聞いて、支離滅裂なメールを送った私を、あさのあつこはあの日と同じように気遣い、後藤竜二が側にいるような返信をくれた。「ともかく大会、ちゃんとやりぬきましょう。後藤さんが望んだように、作品を鍛え逢いましょう」季節風の後藤代表は、死してなお、我々に憧れの人だと口外することを許さない。我々同人は、季節風を支え繋いでいくために、憧れの気持ちをそれぞれの胸にしまい、仲間として平等に彼と向き合う。これからも「季節風」から優れた作家を輩出するために切磋琢磨することを誓う。後藤竜二にもらった数々の褒め言葉を胸に、少し自惚れながら、彼の遺志を皆で守っていきたいと思う。


               2010年7月10日筆
               「子どもの本棚」より依頼
      

                            

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