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    児童文学は世界を変えられるか  告発の先にある、何かを動かす力を育てる 

    2017.07.04 Tuesday 22:50
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         児童文学は世界を変えられるか

                   告発の先にある、何かを動かす力を育てる     

                                     

       今西乃子さんの著作との出会いは『ドッグ・シェルター―犬と少年たちの再出航』だった。アメリカの少年院が舞台。捨てられた犬たちが新しい家族へ引き渡されるまでの、しつけや世話を、少年院の子どもたちが行うというプロジェクトへ取材して書かれた本だ。当時、テレビの特集などでもやっていた題材で、軽い気持ちで手に取った本であった。

        動物には温もりがある。捨てられた犬も、そして少年院で過ごす少年たちも、心の底で何かを信じたいと思っている。それは、当たり前のことではないか。主旨と顛末を知っているノンフィクションを、人はどう読むのか。しかも、児童文学は、字数も、表現も限られているのである。そんな、漠然とした浅はかな私の思いは見事に打ち砕かれた。簡易な文章にみなぎるライターの思いは、あるべきなどという薄っぺらな正義感を、揺さぶり、読者へ我がこととして突きつけて来たのである。

       それ以来、私は、今西乃子さんの著作を追うようになった。捨て犬・未来のシリーズは、人間から虐待を受け、殺処分となる寸前だった犬の物語だ。その捨て犬・未来を同行し、今西乃子さんは、全国の学校へ「命の授業」を届けている。

      「命を捨てるのも人間、救うのも人間。どちらの大人になったほうがみんなは自分が好きって言えますか? 幸せって思えますか?」

       今西乃子さんの言葉はシンプルだ。

       先日、小学校での講演の後日談を聞く機会があった。ある生徒が、ご両親に、犬を飼ってもいいといってもらった時、今西乃子さんの講演会で聞いたこと、その後本を読んで感じた事を話し、ペットショップという発想しかなかった両親を説得して、保護センターの譲渡会に行ったのだそうだ。そこで、出会った子をもらい受け、ちゃんと世話をしているとのこと。彼女は、親を説得できるパワーと自信を、講演と読書で得たのである。

       そのエピソードを聞いて、今西乃子さんの著作を読んで、最初に感じた衝撃は、ノンフィクションとは、告発であると、誤解していた、自分の思考回路の崩壊だったのだと、ようやく言葉にできた思いがした。現状を知らしめ、責めるだけが、何かを変えるわけではない。罪悪感や絶望感で人々をうずくまらせるのではなく、その先にある何かを動かす力を育てることこそが、読書の喜びではないか。

       そんなことを考えている時、キム・ファンさんの『すばこ』を読んだ。環境や共存といった難しく、ともすれば責任と不安しかなさそうなテーマの本質を、さらりと、言ってのける絵本だ。それでもなお、最初に巣箱をつくったと言われているベルレプシュ男爵の、工夫と喜びに満ちた人生は、美しい絵の中で、作り出し考える楽しさに溢れている。

      未来を「してはならないこと」から考えるのは辛い。「すること」から考えれば、おのずと何かが動き変わるのかもしれない。児童文学は世界を変えられるか? なんだか、大げさな題名だけれど、我々児童文学に関わるものが、熱い気持ちを持ちと、告発の向こうにある未来を自分のこととして信じることができれば、何かが育ち、変えることができるのだろう。告発に留まらず、使命感や可能性を感じる本を届けよう! そんなことを思う。 

       

                                                                     札幌地区子どもの本連絡会  「ジグソーパズル」201706

       

       

                   

       

       

       

       

            

                         

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